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萩野 浩基 
「行学一如」。理論と実践の融合。それが東北福祉大学の目指す理念。
東北福祉大学 学長
萩野 浩基 
社会福祉を実現する「理論と実践」を学ぶところ
東北福祉大学を目指す諸君にとっては先人にあたる、故・塚本哲先生の著述の中に次のような興味深い一節があります。「社会福祉は、その活動として技術をもつものである。例えば水中に溺れんとする子どもを救うために、ただ夢中で水中に飛び込んだとしたら、あるいは溺れ去るかもしれない。そこでこれを最も効果的な手段で救おうということになるのであるが、そこにその手段たる、すなわち技術が必要とされるのである。」(『私と社会福祉』所収)
 たぶん諸君は、自分の体験に照らして、ここで語られている例については比較的たやすく理解できるでしょう。なぜならば、諸君は「人のために役立ちたい」という切実な気持ちをもちながら、それを実現するための行動力と、実現するための技術がないことに悔し涙をながしたことも一、二度のことではないはずだからです。東北福祉大学は、まさにこのような社会福祉を実現する「理論と実践」を学ぶところです。「行学一如」。諸君は、本学で諸君たちの貴重な財産である「人のために」というやさしさが正しく発揮され、社会の中で生かされるための実践力を得る学問を学ぶのです。
「福祉」とは
「社会福祉」とはいったい何でしょうか。残念ながら、学問的にも答えは定まっていません。「福祉」という言葉にはさまざまな意味がこめられ、さまざまに使用されています。私もまた、この問いかけに終始考えさせられている者の一人です。そこに「福祉」を学ぶことのむずかしさがあります。けれど「福祉」とは、人間が生きていく以上さけられない問題であり、今の時代新しい「福祉」への発想が必要とされていることは間違いありません。「福祉」に対するニーズは地域住人の一人ひとりにとっても、各国にとっても、さらには世界にとっても切実な問題であり、福祉が担わねばならない課題は日に日に広がっています。人間が共に生きるために、人間の幸せとは何かをもう一度ふりかえり、「人間の何を」守り保障すべきかが問われています。社会福祉は技術だけではありません。最も大切なものは技術を行使する人間性であって、人間をどう捉えるかであります。つまり自らが全体的人間であることを強く認識し、他の人間にも全体的人間を認識しなければならないのです。東北福祉大学での学生生活において、諸君は「福祉」という概念が持つ深淵なる意味を世界的なスケールで真摯に追求してほしい。福祉に限らず、あらゆる面で活躍する自分であることを意識し、積極的に学内外の活動に取り組み、人間性を磨き、二度とない人生を芸術してください。
萩野 浩基 
萩野浩基プロフィール
東北福祉大学 学長
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