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善き事をした高校生達
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善きことをした高校生達
誰かのために行動することは、意外と簡単だ
「善きことをした高校生達」では、勇気を出して誰かのために行動した高校生たちのエピソードを紹介している。彼らの活躍を読めば、キミの心にもきっと感動が広がるはずだ。
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2007/12
 手作りの人形劇で、子どもたちに美術館でのマナーを教える 
(栃木県 宇都宮文星女子高校 こども福祉コースのみなさん)
 能勢特産「三白三黒」復興 創作料理を道の駅に提供 (大阪府 能勢高校 家庭科部のみなさん)
 養護学校生と張り絵を制作 共に生きる力を育む (埼玉県 騎西高校 3年生のみなさん)
 幼稚園にメダカ贈り、ふるさとの川を大切に守ろうと呼び掛け (岡山県 矢掛高校 川レンジャーのみなさん)
 いまだ戦時下のイラクの子らへ医療支援訴え、街頭募金 (愛知県 同朋高校 2年7組のみなさん)
栃木県 宇都宮文星女子高校 こども福祉コースのみなさん
「自己を敬え 他人を敬え 仕事を敬え」の三敬の教えを校訓とする宇都宮文星女子高校の生徒は、常に自分を研磨し、進んで他人のため、社会のために奉仕する精神を養っている。同校の文化祭「撫子祭」で、盲導犬センター運営のための募金活動や、保育園を訪問して園児と交流を図るなど、その活動内容も実に多彩だ。今年の11月11日には、普通科「こども福祉コース」の生徒27人が、日頃の学びを生かした人形劇で、社会貢献活動を行った。
きっかけは、同コースの生徒が手作りの人形劇で、近隣の幼稚園や保育園の子どもたちと交流を深めていることを知った宇都宮市立美術館が、今年初め、学校側に、人形劇を通して子どもたちに美術館でのマナーを伝えてほしい、という依頼があったことから。生徒らはすぐに快諾し、3月から公演の準備に入った。
タイトルは「びじゅつかんでのおやくそく」。子どもたちが美術館で見学する際の3つのお約束「走らない・騒がない・作品に触らない」をテーマにした、すべて生徒の手作りによるオリジナル作品だ。
11月11日の公演当日、美術館内の会場には80人を越える親子連れが来場。子どもたちは生徒が演じる人形劇を夢中になって見つめ、人形の動きや台詞に、笑ったり、頷いたりしながら、美術館でマナーを守ることの大切さを学んでいたようだ。
今回の公演に参加した生徒は「子どもたちの前で演じると、練習の時と違ってやはり反応が違う。間の取り方など、勉強になった」「子どもたちが喜んで観てくれたので、うれしかった。マナーを守る大切さも伝えられたと思う」と、ほっとした様子で話していた。
なお、この人形劇は録画され、今後、美術館を訪れる小学生や幼稚園児などに“美術館でのお約束”を守ってもらうために使われるという。
ところで、「こども福祉コース」の生徒は、これから3月まで、今回の作品を含め、2演目の人形劇を5つの幼稚園・保育園で上演する予定といい、「子どもたちの目は厳しいから。とにかく練習です」と、自らを鼓舞するように話していた。
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大阪府 能勢高校 家庭科部のみなさん
yoki_kou_image01大阪府の最北端の町、能勢町の府立能勢高校は、“生命あるものを愛し、自然環境を大切に考える学校”として、地域性を生かした独自の教育システムを取り入れている。特に同校は、地元の中学からの進学者が多いことから、2004年に府立高校では唯一の連携型中高一貫教育を実施。さらに、能勢町が推進する小中高一貫教育に賛同し、小学校に加えて幼稚園、保育園との連携にも努めている。こうした学校の教育姿勢に、同校生徒も、能勢の自然を愛し、人々との交流を深めると共に、能勢の歴史や文化を知ろうという動きが活発になっている。
中でも、ユニークな活動を展開しているのが、家庭科部だ。同部では、かつて能勢町の特産品だった「三白三黒」(三白:米・寒天・高野豆腐、三黒:栗・炭・牛)の調査・研究を行い、その復興をめざしている。中心となって活動しているのは、3年生の男子部員6人。きっかけは、部員の一人が1年生の時、同校の教諭から、江戸時代から昭和30年代まで「三白三黒」と呼ばれる特産品が能勢町にあった、という話を聞いたことから。
地元に住んでいながら、初めて聞く特産品に興味が湧き、他の5人の部員と共に調査を開始した。郷土史や、菊炭と呼ばれる炭焼き名人をはじめ、当時生産にかかわっていた人たちに話を聞いた。そしてわかってきたことは、「三白三黒」がかつては能勢の経済を支えていたこと、寒天や高野豆腐は、後継者不足などにより現在では生産されていないこと、能勢のお米は、良質でおいしいことなどだった。部員らは「もう一度、能勢の人たちに知ってもらいたい」と、これらの調査結果を、昨年の環境・農業フォーラム(能勢町主催)や大阪府総合学科高等学校研究発表会で発表し、大きな反響を呼んだ。
続いて部員たちが取り組んだのは、「三白三黒」を使用した創作料理。それは、「もっと多くの人に、「三白三黒」を知ってもらいたい」「忘れ去られつつある能勢の特産品を活用する方法はないか」という思いからだった。試行錯誤の末、部員らの結論は、自分たちで料理を考え、能勢町の「道の駅(くりの郷)」内のレストラン「ひだまり」の新メニューとして採用してもらうことだった。レストランと直接交渉し、快諾を得たものの、料理が苦手な部員ばかり。レストランの担当者のアドバイスを受けながら試作を繰り返し、出来上がったのが「能勢サンド」と「三白三黒定食」の2つのメニュー。高野豆腐を揚げて野菜を添えた「能勢サンド」(飲み物がついて470円)は、午前11時までのモーニングメニュー。午前11時からの「三白三黒定食」は、豆腐ハンバーグをメインに、高野豆腐のあべかわ、揚げ寒天サラダ、黒米ご飯などをセットにしたヘルシーメニューで、683円。いずれも土曜・日曜10食限定で販売している。お客様からも好評で、10月からは温かいだんご汁を添えた秋冬メニューとなっている。レストランでは、今後、評判が良ければ、定番メニュー化も視野に入れているという。
同校家庭科部のこうした活動をきっかけに、能勢町では「三白三黒」を見直す動きが活発になってきた。連携する中学校では、彼らが考えた三白三黒の献立を家庭科の授業で調理するという中高交流授業も実施されている。また能勢町も、家庭科部から町教委を通じて打診された、小学校の学校給食への採用を、現在検討中という。
ある部員は「調べてみると、能勢にはいろいろな歴史や文化があることがわかった」「何げなく食べていたお米にも感謝の気持ちが持てるようになった」と話し、「私たちの次の世代が、能勢の伝統や文化を新たに掘り起こし、復興させてくれるはず」と力を込める。また、同部顧問の教諭は「郷土に対する誇りと愛着が生徒の自尊心の向上につながる」と語り、「自主自律の精神を養い、責任ある行動で、能勢の文化を広くPRする牽引役として、能勢をもっと元気にしてほしい」と部員の今後の活動に期待していた。
下写真1
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埼玉県 騎西高校 3年生のみなさん
yoki_kou_image01埼玉県の北東部、肥沃な農耕地帯が広がる騎西町。藤の花で知られるこの町に県立騎西高校(騎西町騎西)がある。同校は、1981年4月に埼玉県東部地区唯一の普通科・体育科併設校として開校以来、地域、地元の人々の厚い声援を受け、運動部ではウエイトリフティング部が全国優勝するなど、各部とも優れた成績を残してきた。こうしたことから、同校生徒は、地域と、地域の人々と支え合い、協力し合う精神が身についており、地域への貢献活動にも力を注いでいる。
10月31日には、3年生全員が、県立騎西養護学校(騎西町上種足)を訪問。高等部の生徒と張り絵の製作やゲームなどを行い、心と心が通い合う交流を楽しんだ。
張り絵の製作では、両校の生徒をシャッフルしていくつかのグループにわかれ、養護学校の生徒が事前に手作りした和紙や折り鶴で6枚の絵を描いた。そして各絵をひとつにまとめて1枚の作品に仕上げた。縦約1.3m、横約2.7mという大作で、学校行事を楽しむ生徒らの姿が描かれている。完成した作品には、両校の校名と“力を合わせ共生の社会を”の文字が記されている。11月初めに開催された町の文化祭や学校の文化祭などで公開され、多くの来場者から高い評価を得た。
参加した3年生は、「楽しかった。養護学校の生徒と張り絵などの活動を共にしながら、これが、共に生きる地域づくりの基礎となればいいと思った」と、話していた。
ところで騎西高校は来年度に不動岡誠和高校(羽生市神戸)と統合し、埼玉県立高校初の福祉系専門高校「誠和福祉高等学校」として、新たな歴史をスタートさせる。騎西高校の関係者は「来年3月で校舎も使われなくなる。学校で最後の卒業生となる3年生にとっては、いい思い出ができたと思う」と語り、「今回の交流を意義あるものとするためにも、卒業後も、地域と共に生きる豊かな心を育んでほしい」と願いを込めて話していた。
下写真1下写真2
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岡山県 矢掛高校 川レンジャーのみなさん
yoki_kou_image01江戸時代、山陽道の要所に位置し、宿場町として栄えた岡山県矢掛町。多くの歴史遺産と文化の香り豊かなこの町に県立矢掛高校がある。創立は1901年。2004年に県立矢掛商業高校と統合し、普通科単位制高校として新たなスタートを切った同校の特色は、生徒が主体となって地域との交流に努めていることだ。これは100年を越える同校の伝統であり、毎年11月第2日曜日に開催される矢掛町のビッグイベント「大名行列」への参加協力の他、その前日にはきれいな矢掛町で観光客を迎えようと、全生徒が参加しての清掃活動もその一例といえる。
また、町の自然や環境を守る活動も積極的で、中でも、環境ボランティアグループ「川レンジャー」約20人のメンバーによる地道な活動は、同校生徒だけでなく、地域の人々の意識を変えようとしている。
今年の9月18日には、近所の矢掛幼稚園を訪れ、自分たちで育てたメダカ50匹をプレゼントした。多くの子どもたちに川や生き物の大切さを知ってもらおうと、川レンジャー初の試みで、今後は、他の幼稚園や保育園、小学校にもメダカを贈る計画という。
当日はメンバー6人が同園を訪問。園児27人に「川にごみがあるとメダカは幸せに暮らせません。だから川にごみを捨てないで、水を汚さないようにしてください」と呼びかけると、園児からは「ハイ!」と大きな返事が。続いて園児と一緒にメダカを園内の池に放した。園児たちは元気に泳ぎ回るメダカを見て大喜び。「大事に飼います」と、メダカをプレゼントしてくれたメンバーに感謝していた。
川レンジャーは、2003年に矢掛商業高校に発足。高校統合後もそのまま矢掛高校に引き継がれた。現在は、学校設定教科「環境」を学ぶ中で、問題意識を高めた生徒が中心となり、近くの小田川の清掃や、やかげ郷土美術館内ポケット水族館の町内淡水魚の展示・管理などを行っている。中でも、絶滅危惧種のスイゲンゼニタナゴの生態調査及び増殖活動への評価は高く、今後の成果が期待されている。
川レンジャーのメンバーによる地域密着型ボランティア活動は、同校の校訓「至誠力行」(誠実に、懸命に努力すること)を、優れた形で実現したものといえるだろう。
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愛知県 同朋高校 2年7組のみなさん
名古屋市中村区の私立同朋高校は、仏教精神に基づく全人教育を進めている。同校生徒も、仏教的情操による相互和敬の精神を育み、社会秩序を重んじる人間へと成長すべく、勉強に勤しんでいる。
また、生徒の「相互和敬」(互いの違いを認めあい、心を和らげ、敬う)の精神は、家族や級友などだけでなく、地域、さらには世界の人々にも向けられている。その端的な例が、今年9月18日から22日までの5日間にわたり、2年7組22人の生徒がイラクの子どもたちのために実施した、医療支援街頭募金活動だろう。
連日、名古屋駅前に立って募金活動を行った7組の生徒の想いは、“飢餓や貧困、戦争で苦しむ人たちの力になりたい”という一念だった。そして、今なお戦時下にあるイラクでは、多くの子どもたちが悲惨な生活を強いられている状況を訴え、湾岸戦争やイラク戦争で使用された劣化ウラン弾が原因ともいわれる小児ガンで、病床に伏す子どもたちのための医療費を募った。
名古屋駅前を行く多くの人々に募金を呼びかけた生徒は「自分たちに出来ることは何かを考え、まずは一歩踏み出すことが大切だと思った」と話す。その純粋な想いが通じたのか、多くの市民が募金に応じ、初日の18日に集まった義援金は1万6669円にもなった。5日間募った義援金は、全額NPO法人「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」に託し、イラクの医療支援に当てられることになっている。
その後、2年7組の生徒は、9月28日〜30日の3日間開催された同校文化祭で、「世界のすべての子どもたちが幸せに生きるために」をテーマに発表を行った。今回の募金活動を踏まえて、真摯に語りかける生徒の言葉は、多くの来場者の胸に響いたようだった。
同校生徒のこうした奉仕の精神は、「正しい世界観をもつ個性豊かな人間の育成」をめざす同校の教育方針が、生徒一人ひとりの心に強く根付いている証拠といえるだろう。
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