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善き事をした高校生達
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善きことをした高校生達
誰かのために行動することは、意外と簡単だ
「善きことをした高校生達」では、勇気を出して誰かのために行動した高校生たちのエピソードを紹介している。彼らの活躍を読めば、キミの心にもきっと感動が広がるはずだ。
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2007/03
 裁判員制度をわかりやすく 市民演劇祭で上演し、観客から大好評 
(愛知県 安城高校 演劇部のみなさん)
 海岸の漂着物調査中、国内最大級の鳴き砂発見 保全にも取り組む 
(宮城県 明成高校 科学部のみなさん)
 障害者施設を訪問しチョコをプレゼント 交流を深める 
(香川県 藤井学園寒川(さんがわ)高校 生徒会のみなさん)
 文化祭のバザーの収益で、障害者施設に車いす寄贈 (徳島県 徳島工業高校 生徒会のみなさん)
「ごんぎつね」や「手袋を買いに」など、日本を代表する童話作家、新見南吉が教鞭を執っていたことで知られる愛知県立安城高等学校。1921年創立、赤レンガ色の校舎が印象的な同校で学ぶ生徒は、新見南吉がまいた文化・芸術の種をしっかりと育み、開花させている。
その表現者として活躍しているのが、演劇部(部員14名)だ。常に、新たな題材に挑戦する同部が、2月4日に開催された「第25回安城市民演劇祭」(市文化センター・マツバホール)の舞台にのせたテーマは、2009年5月までに導入される“裁判員制度”。「裁判員たち」と題したこの芝居では、二日酔いで車を運転した男性が、男子高校生をはねてしまった事故の裁判員に選ばれた男女6人の、法廷や休憩室での悪戦苦闘ぶりをコミカルに描いている。
演劇祭当日は、安城農林高校の生徒などの応援も得て、15人が熱演。大工や僧侶、主婦、学生ら6人の裁判員が、初めは戸惑いながらも「二日酔いは飲酒運転になるのか」などの議論を交わしながら、次第に、裁判員の責任の重さを自覚していく。そうした硬くなりがちなストーリーの中で、裁判員制度を行う理由を「男女を引き合わせるため」といった台詞や、高校生の母親が発言のたびに「ざます」と連発する姿を皮肉ったりする演出が、観客の笑いを誘っていた。
また劇中では、「被告の知人が裁判員になったらどうするの」といった疑問にも答えるなど、笑いながら、楽しみながら、時には真摯に裁判員制度を理解していく工夫がちりばめられている。
「私たちの劇で制度を知ってもらえたらうれしい」と話す部員の想いに応えるように、観客からは大きな拍手が贈られていた。
「きっとできる できるまでやる」を教育スローガンとする安城高校。今回の演劇部の活動は、「社会に立派に通用し、活躍し、貢献できる人間を育成する」を目標とする同校の教育が、確かな成果を上げている証左といえるだろう。
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yoki_kou_image01「キュッ、キュッ」。
2005年6月末、私立明成高校(仙台市青葉区)科学部の部員たちが宮城県亘理町の砂浜、吉田浜で漂着物の調査を行っているときだった。「砂が鳴る」。部員らは初め信じられなかった。もう一度砂を踏みしめた。「キュッ、キュッ」。やはり、鳴る。それは、国内最大級といわれる鳴き砂発見を知らせる音だった。また、ほぼ同時期に、仙台湾鳴り砂探究会のメンバーが鳥の海(亘理町)で、鳴き砂を発見している。
宮城県内に鳴き砂は、気仙沼市の十八鳴(くぐなり)浜や女川町の夏浜など7カ所あるが、松島以南で見つかったのは、これが初めて。
その後部員らは、夏休みなどを利用して現地調査を重ね、吉田浜から北の鳥の海まで、約3キロにわたって鳴き砂が広がっていることを確認。06年夏に、島根県の砂博物館「仁摩サンドミュージアム」に砂を送ったところ、「特有の波形を示し、鳴き砂に間違いない。普通の鳴き砂は入り江の数百メートルぐらいだが、これだけ広範囲に鳴き砂のある砂浜は珍しい」という。同校科学部顧問の教諭は「場所によって鳴ったり鳴らなかったりする。吉田浜は神出鬼没の鳴り砂」といい、「隣の山元町は海岸の浸食が激しく、削られた石英が潮流に乗って吉田浜に堆積したのだろう」と推測する。科学部では、これらをふまえた調査結果を、同年11月9日に行われた県内の高校生による理科研究の報告会で発表した。
しかし、部員らは「すごいことをやったという実感はない」という。「現地に行き、事実を積み上げること」を繰り返し、調査回数は3年間で10カ所以上にもなる。顧問の教諭は「鳴き砂の発見は、偶然でもあり、必然でもあった」と話し、地道な現地調査の成果を強調する。
ところで、鳴き砂は、砂に含まれる石英の粒がこすれあうことで鳴るが、石英粒が細かすぎたり、湿っていたり、汚れたりすると鳴らない。
同部では、06年の6月から8月にかけて、仙台新港から吉田浜まで約20キロを歩いて漂着物調査を実施し、様々なゴミを拾い集めた。その中には、中国、韓国、ロシア製の浮きなども混じっていたという。部員らは、吉田浜をはじめ「宮城県の海岸が汚れはじめている」「鳴き砂が消える」と危機感を募らせる。そのため、今年から鳴き砂の同時発見者である「仙台湾鳴り砂探究会」と連携して、吉田浜から鳥の海一帯の砂の移動や層の厚さなどを調査し、鳴き砂の保全に取り組んでいくことにしている。
鳴き砂は、きれいな砂浜の象徴。部員たちは「これまで積み重ねた漂着ゴミのデータを統計にとり、ゴミの出し方などを考え直してもらうきっかけにしたい」と話し、今後も漂着物調査を続けながら、ゴミ問題、環境問題など、新たな研究に挑戦していく考えだ。
下写真1下写真2
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香川県 藤井学園寒川(さんがわ)高校 生徒会のみなさん
香川県で30余年の歴史を誇る藤井学園の寒川高校(さぬき市)では、生徒会やボランティアクラブなどを中心に、様々な地域貢献活動を行っている。
今年の2月12日には、生徒会役員など生徒約20人が、学校近くの身体障害者療養施設「真清水荘」を訪問。約50人の入所者と温もりのある交流を楽しんだ。
生徒らはまず、用意してきた鳴子を手にし、地元讃岐地方の盆踊り唄「一合まいた」などのアレンジした曲に合わせてよさこい踊りを披露。この日のために練習を重ねてきた生徒の躍動感溢れる踊りに、入所者たちは大きな拍手を送っていた。
その後生徒は、自分たちで手作りしたバレンタインのチョコレートを、入所者一人一人に手渡した。
「誠実・勤勉・礼節」を校訓とする同校の生徒らしく、互いを思いやる心でふれあい、気持ちを伝えあい、交流を深めた。
入所者は「生徒の皆さんの力強い踊りは素晴らしく、元気をもらった。手作りチョコも楽しみ」「また遊びに来てほしい」と笑顔で話していた。
寒川高校生徒会による地域貢献活動は、今回の訪問交流活動以外にも、次々と実施されており、昨年12月6日の同校文化祭(寒川高祭)では、チャリティーバザーを開催。収益金8万円で老人保健保護施設「さわやか荘」へ車いす2台を寄付している。
また、今年に入ってからも、1月24日の1〜2年生100人が参加した「さんがわお掃除隊」では、JR神前駅周辺や通学路の清掃活動を行っている。続いて2月5日には、同校衛生看護科の生徒が実習で世話になっている「さぬき市民病院」に、ありがとうの気持ちを込めて待合室用の座布団を贈呈。病院側から感謝状が贈られた。なお、ありがとうの座布団は、JR神前駅とさぬき市民病院前のバス停待合所にも届けている。
寒川高校生の地域や人々にやさしいこのような活動は、誠をつくし、地道な努力ができる、礼節をわきまえた生徒の育成に努めてきた同校の30余年の歴史と伝統の成果といえるだろう。
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2008年に創立60周年を迎える岐阜県立吉城高校(飛騨市)は、もともと、地元古川町など6つの町村の組合立高校として誕生した。そのため、地域との結びつきが強く、様々な交流や貢献活動が展開されている。例えば、家庭クラブを中心とする養護老人ホーム「和光園」でのボランティア活動は、先輩から受け継がれてきた同校の伝統となっている。
こうした同校生徒の豊かな人間性を示すボランティア精神は、地元だけでなく、発展途上国へも向けられている。
2006年9月の文化祭(柏葉祭)では、水事情の悪いカンボジアに、きれいな水を確保する井戸を掘るための募金活動を実施し、特定非営利活動法人(NPO法人)「カンボジアの健康及び教育と地域を支援する会」(SCHEC)に寄付した。そして今年はじめ、同会から現地に完成した井戸5基の写真と、同会の現地パートナーから感謝状が届いた。
吉城高校の生徒による発展途上国への支援は、2001年の文化祭で地雷ゼロ運動支援募金に取り組んだのがきっかけ。その後、毎年の文化祭で世界の貧しい国や地域の現状や歴史等について調べ、学習し、様々な形で発表するほか、支援のための募金活動を行ってきた。
06年の文化祭では、生徒会役員をリーダーに7人の生徒で特別企画部を立ち上げ、カンボジアの水事情について徹底的に調査した。その結果、長い内戦の後遺症で水道や電気の整備がほとんど進んでいないこと。特に農村部では、大きな瓶に雨水を貯めて生活用水にしていること。その水瓶が、マラリアを媒介する蚊などの発生源となり、病気への抵抗力の弱い子どもやお年寄りにとって、最悪の水事情であること。そして、この問題を解決するためには、清潔な水を確保できる井戸が必要なことを知った。
そこで特別企画部のメンバーは、カンボジアの水事情の現実をパネル展示や寸劇で、来場者や生徒らにわかりやすくアピール。さらに、手動ポンプ付きの井戸が、現地では1本あたり2万5000円で掘れることを訴え、募金活動を行った。生徒や教職員はもちろん、文化祭に訪れた保護者や地域の人々から寄せられた義援金は、総計14万6970円にもなり、SCHECに送られた。
今年の1月中旬、SCHECから写真や感謝状と一緒に届けられた手紙によると、昨年11月にカンボジアのシェムリアップ州バコン郡などで60基の井戸を掘ったうち、同校の支援分としてバンコーン村、トラパンルン村に5基が完成。各井戸には、生徒から募集した「吉城」「君とずっと仲良し」(文化祭のテーマ)「絆(きずな)」などの名前が記され、看板も立てられたという。
特別企画部に参加した生徒は、井戸の完成に喜ぶ現地の人の写真を見ながら、「私たち生徒の取り組みが実ってうれしい」「カンボジアの人たちとのつながりを感じる。これからも何らかの形で、ボランティアをしていきたい」と喜ぶと共に、「5つも井戸がつくれたのは、協力してくれた地域の人々のおかげ」と感謝する心も忘れない。指導した教諭は「戦争の歴史まで掘り下げたところが、募金してくれた人の心に響いたのだと思う」と評価する。そして、ボランティア活動の推進を図り、他人を思いやる人間性豊かな生徒の育成をめざす同校の教育方針が確実に根付いていることを、実感しているようだった。
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徳島県 徳島工業高校 生徒会のみなさん
北に四国一の大河、吉野川を、南に緑美しい眉山を望む豊かな環境の中に、徳島県立徳島工業高校がある。「礼儀を篤くし、勤労に親しみ、責任を重んずる」教育で、人と環境にやさしい工業技術者を育成している。その成果は、生徒らの地域や人々への思いやりの心と学びの力を活かした福祉活動、ボランティア活動にも表れている。
今年の2月15日には、生徒会役員らが知的障害者更正施設・おおぎ青葉学園を訪問。昨年の文化祭で行ったチャリティーバザーの収益金で購入した、車いす一台を贈呈した。同校生徒による県内の福祉施設への車いすの寄贈は、1992年から始められたもので、今回で15回目になる。
贈呈式では、生徒会役員が「施設のみなさんで役立ててもらえるとうれしい」とあいさつし、バザーに協力してくれた地域の人々や生徒の善意の結晶である車いすを、施設利用者に引き渡した。
今回はこの他に、施設からの要望で、2002年度の電子機械コースの卒業生が製作し、学校が保管していた自動空き缶つぶし機を寄贈。さらに、土木コースの生徒が間伐材を利用してつくったベンチを、家庭クラブから座布団を、陶芸愛好会からは湯のみなどをプレゼントした。また、音楽部から参加した部員二人がピアノ演奏を披露し、和やかな雰囲気の中で交流のひとときを楽しんだ。
利用者の代表は、徳島工生の心のこもった贈り物に「大切に使います」と感謝の言葉を述べた。
参加した生徒は、車いすの寄贈をはじめとする福祉活動を「今後も、生徒による良き伝統としてしっかりと受け継いでいきたい」と話していた。
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