
「善きことをした高校生達」では、勇気を出して誰かのために行動した高校生たちのエピソードを紹介している。彼らの活躍を読めば、キミの心にもきっと感動が広がるはずだ。
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岡山県 おかやま山陽高校 料理研究部の部員たち
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今年の3月1日には、料理研究部の部員たちが、笠岡駅前の中央商店街弁財天通りで開かれた「おかげいち」で、モガイを使った和風パエリア300人分を巨大鍋で調理し、買い物客などに振る舞った。 この「モガイパエリア」は、地元井笠地域特産の貝類「モガイ」を広くPRし、もっと身近に感じてもらおうと料理研究部が1月から試作を開始し、考案した。 当日使用した材料は、今回のイベントの趣旨に添って地元産を中心に調達。モガイ20kg、米20kgを主材料にタマネギ・ピーマン各50玉、トマト30個、ネギ、ユズなどを使って、料理研究部顧問と部員10人が1時間以上かけて仕上げた。調理を始めた頃は、少なかった商店街の人通りも、高校生が大きな鍋でパエリアづくりにチャレンジする姿に、次第に多くの人が集まり、完成の30分前には長蛇の列ができた。 モガイからとった出し汁が決め手というその味は、「おいしい」と大評判で、ある主婦は「懐かしいモガイが現代風のパエリアになるとは驚き。トマトやユズとも相性が良く、さっそく家でも作りたい」と話していた。 また、同時に試作したモガイのチヂミも大好評で、パエリアもチヂミもあっと言う間に無くなってしまったほどの人気だった。 商工会の役員は、「商店街が久しぶりににぎやかになり良かった」と、同部の持ち味を生かしたイベント開催に感謝していた。 前日の卒業式後から下ごしらえを始めたという部員は、「モガイの殻を洗うだけで5時間もかかったが、多くのお客さまに喜んでもらえて良かった」「今後もこうしたイベントに参加し、地元産のPR活動に貢献したい」と話し、「これを期に、モガイのパエリアやチヂミが、井笠地域の新しい郷土料理の一つになれば」と願っていた。 ところで、今回のイベントで使用した巨大パエリア鍋は、同校の溶接同好会が製作した。直径1.5m、重さ約400kgもあり、料理研究部の1度に300人分のパエリアが作れる鍋を、という依頼に応え、同会の1、2年生6人が約1カ月かかって完成させた。 なお、モガイの和風パエリアとチヂミのレシピは、おかやま山陽高校調理科・料理研究部のHPに紹介されている。 |
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長野県 臼田高校 農業クラブの皆さん
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創立以来100年の歴史を誇る長野県臼田高等学校(佐久市臼田)。同校では、生徒が主体となって環境問題、資源問題に学校で学んだことを生かしながら様々な活動に取り組んでいる。その一つ「臼高総合病院事業」では、環境緑地科が間伐材を利用した炭焼き、環境保全型農業の提案、生徒が講師となって地域の方々と交流しながら共に学ぶ「臼高自然塾」を開講。インテリア科では、家具や仏像の補修に応じる「家具の病院」、地元の入沢焼きの復興など地域文化の伝承につとめているほか、アパレルデザイン科は、ユニバーサルデザインの衣服の提案や衣類のリメイクをテーマに活動を展開している。これらの活動の多くが地域と連携したもので、その優れた成果が、農業クラブの「第10回日本水大賞」農林水産大臣賞受賞だ。今回受賞したのは、環境緑地科の生徒でつくる農業クラブが取り組んでいる「佐久市十二新田集落協定による自然生態系保全プロジェクト─絶滅危惧種オオアカウキクサを使った水田管理」で、長野県のレッドデータブック絶滅危惧種に指定されているオオアカウキクサの保護と農業利用に関する研究、並びに普及啓蒙活動が評価された。 同校によると、オオアカウキクサは同市上小田切・十二新田地区の地蔵池などに自生する、この地区の固有種という。除草剤に弱く、増殖すると水田を覆い、地元では昔から稲の生育を悪くする雑草とみられていた。 2004年1月から、オオアカウキクサの調査研究をスタートさせた農業クラブは、このウキクサを使った水田管理の研究に着手。アイガモ農法の稲作との比較やマコモタケ栽培で効果を調べてきた。また、同校の研究に、地元の市立切原小学校の児童も協力。同小の実験田で作業を手伝う他、県佐久農業改良普及センターもデータ収集に力を貸した。そして、これまでの研究では、水田のウキクサはほかの雑草の発生を抑え、アイガモ農法の田よりも収穫量が多いとの結果が出た他、枯れたウキクサを肥料にしても収穫量が伸びたという。 同校農業クラブの4年間の研究で、オオアカウキクサが水田管理に効果があることが地元の人々に次第に理解され、「地域に減農薬や水質改善への取り組みも広がってきた」と、同クラブの生徒は、この研究活動に手応えを感じていると話す。 水田を調査に提供した農家も「協定を結び、一緒に活動してきたのでうれしい。耕作地がいい環境だと認められたようで、誇りになる」と笑顔。また、同校の教諭は「受賞は地域と一緒になった活動へのエールと思う。生徒はこの体験を糧として、今後もふるさとの農業や環境保全に貢献してほしい」と願っていた。 なお、日本水大賞は日本水大賞委員会が主催し、水環境保全に貢献する優れた研究・活動を表彰している。今回の表彰式は、6月12日、東京の東京国立博物館平成館で開催され、表彰式後に受賞活動の発表会が行われることになっている。 |
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三重県 上野工業高校 住環境工学科 5人の生徒のみなさん
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俳聖松尾芭蕉や作家横光利一のふるさと、三重県伊賀市。同市はまた、忍者の郷としても知られており、毎年春には、まちをあげて「伊賀上野NINJAフェスタ」を開催(2008年は4月1日〜5月6日)。中部・近畿圏のみならず全国から多くの観光客が訪れるこのビッグイベントに、県立上野工業高校住環境工学科の5人の生徒が、日頃の学びで修得した技術力で協力・貢献しようと立ち上がった。
5人が企画したのは、市内7カ所に設けられる「まちかど忍者道場」のひとつ「町家de忍にんパズル道場」(町家みらいセンター)におかれる木製パズルの製作。パズルは、角材に開けられた直径4センチの穴から円すいを指でつまみ出す「指先修行」や、箱に結びつけられたひもをほどいて中に入っている文書を取り出す「密書箱」、一辺が12センチの板を七分割して作った正方形や三角形などを用いて「NINJA」の文字を完成させる「「NINJAタングラム」など5種類で、タングラムは5セット、その他のパズルは10セットずつを作りあげた。 同科の教諭が引いた設計図を基に5人は、昨年12月から製作を開始。毎週2回ほど実習室に集まり、木を切ったり、磨いたり、飾り付けの微調整をするなどして完成させた。今年3月24日に同校でパズルのお披露目会を行った後、「町家de忍にんパズル道場」で、観光客らの挑戦を受けることになった。生徒は、「NINJAフェスタに訪れた人に楽しんでもらえたら、うれしい」と話す一方、「一筋縄では解けない難しいパズルなので、ぜひ挑戦してもらいたい」と不適な笑いを浮かべる。 そして4月1日から始まったNINJAフェスタでは、「忍者変身処」などで忍者姿に変身した観光客らが、忍者修行とばかりにパズル道場に次々と訪れ、パズルに挑戦。ひもがほどけず、なかなか開かない「密書箱」など5種類のパズルはまさに、頭脳の鍛錬と指先の訓練そのもの。大人も子どもも、その難しさに悪戦苦闘しながらも真剣に取り組み、パズルが解けると歓声がわいていた。 上野工高では、「地域を担っていく人材を育成するための人づくりの推進」を教育理念としており、こうしたまちの活性化につながる貢献活動を、今後も生徒が主体となって取り組んでいきたいと話す。また生徒も、「地域貢献につながるものづくりは、知的好奇心や創造する力、工夫する力を育んでくれるので、やりがいがある」と意欲的だった。 |
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岡山県 就実高校 全生徒のみなさん
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全国の都市と農山漁村との往来(オーライ)や共生に、優れた取り組みを行っている団体や個人に贈られる第5回「オーライ!ニッポン大賞」(オーライ!ニッポン会議(代表・養老孟司氏)、農水省等主催)の審査委員会長賞に、2005年から北海道旭川市就実地区との交流を続けている就実高校(岡山市弓之町)が選ばれた。
同校と就実地区との交流は、偶然から始まった。 創立100周年を控えた2003年秋、同校関係者が、旭川市西神楽に校名と同じ地名があることを発見した。地名の由来も、同校の校名と同様、1908年に出された戊申詔書の「去華就実」であることや、学校の東側に「旭川」が流れていることもあり、同校側から就実地区に交流を呼びかけた。 04年夏には、約20世帯、100人ほどの人々が暮らす小さな農村、就実地区を、同校職員が初めて訪問。秋には、地区の住民代表が同校の創立100周年記念式典に招待され、出席した。 05年からは毎年、同校の2年生が修学旅行で就実地区を訪れ、大雪山系や十勝岳連峰が一望できる「就実の丘」で、植樹やカボチャの種植え体験、住民とジンギスカンパーティを開くなどして親睦を深めている。 また、06年には同校を訪問した地区住民が、1990年に就実小学校が閉校した際に作られた「就実音頭」を紹介。今ではほとんど聞く機会もなかったこの音頭を、07年に修学旅行で訪れた生徒が出発前に練習し、住民たちの前で披露、おおいに喜ばせた。 さらに、就実地区からは生徒が植えた作物の成育状況を定期的に知らせたり、同校では、生徒が文化祭で同地区のカボチャやジャガイモなどの作物を販売し、その収益金を地区自治会に寄贈するなど、交流は年々深いものとなっている。 今回の「オーライ!ニッポン大賞」には、全国からNPO法人や観光協会など84の応募があり、その中で同校は、生徒が主体となり、ユニークな発想で交流活動を広げていることが高く評価され、審査委員会長賞の受賞となった。 3月12日に開催された表彰式には、3年生4人が出席。事例発表「若い力─次世代がつなぐオーライ!ニッポン」に登場し、スライドで相互交流の内容を紹介したほか、就実音頭を披露し、会場から大きな拍手が贈られていた。 出席した生徒は「スライドでの発表と、楽しく元気な踊りで「就実」の良さを伝えることができたと思う」「北海道は大地も、人の心も広かった」と笑顔で話していた。また、就実地区との交流に尽力してきた教諭は「卒業した生徒の中には、再び就実地区への訪問を計画している者もいる」と話し、「もっと多くの人にこの交流を知ってもらえたら」と願う。就実自治会の役員は「今回の受賞は、私たち就実地域の住民にとってもうれしいこと。就実高校の生徒との交流を長く続けていきたい」と受賞を喜んでいた。 |
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岡山県 就実高校 放送文化部のみなさん
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バレーボールやソフトテニスなど、スポーツ強豪校として知られる岡山県の就実高校(岡山市弓之町)は、文化系クラブでも優れた実績を残している。NHK全国高等学校放送コンテストや全国高等学校総合文化祭などに毎年出場している放送文化部もその一つだ。
現在、同部が番組製作に取り組んでいるのが、同校そばの後楽園東側の旭川堤防上の桜並木「旭川さくらみち」の桜をテーマにした映像番組作りだ。 新鶴見橋から相生橋に至る旭川東岸の堤防に植裁されている桜(ソメイヨシノ・約150本)は、1957年、地元の人々によって植えられた。満開時には咲き誇る桜がパノラマのように広がり、毎年多くの人が見物に詰めかける県内随一の花見所である。 同校の放送文化部が番組を作るきっかけとなったのは、昨年11月、別の取材で岡山商工会議所を訪問した際、「旭川さくらみち」の桜が、植樹から50年を経て衰えが目立ちはじめ、このまま放置しておくと近い将来枯れてしまうという話を聞いたことから。 「ショックだった」という部員たちは、「桜のために、自分たちに何ができるかを考えよう」と立ち上がった。そして「みんなに愛されている桜の危機を伝えなければ」と、映像番組を制作することにした。 本格的なスタートを切ったのは、今年の1月から。図書館やインターネットなどで情報を収集。同月31日には、昨年10月、岡山商工会議所を中心に設立された「旭川さくらみちの桜を守る会」開催の治療開始式や、治療作業の様子を取材した。また、近隣住民にインタビューし、「旭川さくらみち」の桜への想いを聞いた。 3月15日には、50年前、桜の植樹を県に提言したというFさんの家族を、部員3人が訪問。カメラを回しながら「植樹した当時の苦労は」「今回の治療をどう感じるか」などを熱心に聞き取った。家族は「若い世代が関心を持ってくれて幸せ」と笑顔で語り、部員による映像作品の完成を楽しみにしていた。 就実高校放送文化部の部員らも、完成作品を全校生徒や多くの市民に観ていただき、10年後も、20年後も、さらにその先も、桜を愛でることができるよう、協力を呼びかけていきたいとしている。 なお、「旭川さくらみちの桜を守る会」によると、今後3年間で全ての桜を治療し、樹勢を回復させることで、約50年の延命を図ることができるという。 |
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創立以来100年の歴史を誇る長野県臼田高等学校(佐久市臼田)。同校では、生徒が主体となって環境問題、資源問題に学校で学んだことを生かしながら様々な活動に取り組んでいる。その一つ「臼高総合病院事業」では、環境緑地科が間伐材を利用した炭焼き、環境保全型農業の提案、生徒が講師となって地域の方々と交流しながら共に学ぶ「臼高自然塾」を開講。インテリア科では、家具や仏像の補修に応じる「家具の病院」、地元の入沢焼きの復興など地域文化の伝承につとめているほか、アパレルデザイン科は、ユニバーサルデザインの衣服の提案や衣類のリメイクをテーマに活動を展開している。これらの活動の多くが地域と連携したもので、その優れた成果が、農業クラブの「第10回日本水大賞」農林水産大臣賞受賞だ。